2021/09/04 07:11
20世紀の終わり頃、両親は既に亡くなり妹と二人暮らししていた。
妹は、庭に来る猫一家に餌をあげていた
新しく生まれた黒猫が小さくてお気に入りだと言っていた

2001年に俺は仕事で家を出た。妹も、その翌年結婚して家を出て
実家は、空き家になった
7年後、仕事をクビになり実家に戻ってくると荒れ果てていた
6~7年の間、誰も住んでいないのだから当然だ
庭は雑草の森になり、廊下は床板が腐っていた

とりあえず居間で寝転がっていると、引っ越しの手伝いをしてくれた
先輩の呼ぶ声
「お客さんだよ~♪」と、なにやら楽しそう
玄関に出てみると、一匹の黒猫
見るからに老猫で雨に濡れている
玄関の土間に座って、上に上がろうとはしない
とりあえずバスタオルを敷いて、出入りできるように戸を空けておいたら
翌朝には居なくなっていた

向かいの家の人の話では、ウチの庭に住み着いていた猫だろうとの事
そしてウチに来た夜以降、姿を見かけないという話だった
「家のどこかに迷い込んでいるのかも」
探していると、物置部屋の辺りから腐臭がする
腐った床板を剥がしてみると、黒猫の死体
腐乱具合から見て、あの夜に死に場所を求めて床下に入り込んだのだろう
「最後に君に挨拶したくて来たのかもしれんね」
先輩に言われて思い出した
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