2009/10/30 07:16
「美術館1」

中年の夫婦が美術館に行った。

夫は、わずかの木の葉で体をおおっただけの女性の絵の前に立ち止まった。

彼がうっとりとその絵に見入ってると、妻が言った。

「あなた、何をいつまでも待ってるの、秋が来るのをですか?」


「美術館2」

ある女性が美術館に行った。抽象画ばかりを集めた現代画家の作品を中心に

展示されたものだった。

女性はある作品の前で、足を止めた。茶色の縁取りに白を背景にした黒い点が

あるという、シンプルな表現にもかかわらず強い印象に打たれて、係員にタイトルを訊ねた。

「それは、この部屋の電灯のスイッチですが・・・」

その女性、そそくさと逃れるように次の部屋に向かった。

この部屋は女性の肖像画を集めた部屋であった、ダリ、ピカソ、エルンストなどなどの。

とくに、ピカソは初期の具象的な絵から、徐々に抽象的な絵に変わって行く過程を知ることが

出来るように並べてあった。

その女性は、とくに最後の絵に目をとめた。

「色使いは地味だけど、こんなに抽象しちゃって。醜いし、ほとんど女性とは思えないわ。

係員さ~ん、このタイトルはなんていうの?」

「奥様、それは鏡ですが・・・」


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