2009/10/20 07:12
トム・カルフーンがリーダーズ・ダイジェストに書いた「ある夏の思い出」

私が所属していた、ハーバード大学の学生新聞の部長はキャスパーだった。
最も沈着冷静、かつ思いやりがあった。あるウィークエンドに私は、キャスパーと、
友人のマリアンの別荘で過ごすことになった。
マリアンの家族は風変わりで面白いと聞かされていた。一人一人独自の行動と
目標の基準をもっているとのことであった。
別荘は古い屋敷で、部屋数が15もあり、海の側に建っていた。
マリアンの姉のキャサリンは、後ほどハワードという名の友人を連れて帰ってくる
とのことだった。
キャスパーがシャワーを使ってると、キャサリンが帰ってきて「そのシャワーは、
潔癖症のハワードの特別のシャワー室だから使わないで」とこっぴどく叱られた。
キャサリンは、痩せて背の高い、赤毛の女性で、グリーンのひとみが怒りに燃えていた。
次の朝、雨がしとしとと降り、ハワードはとうとう姿をを見せなかった。みんなすることもなく、
ぎこちなく居間に座っていた。
キャサリンはやおらキャスパーの手をとり、手相をみ、眉をしかめた。
「あんたは将来、権力をにぎるでしょう、強大な恐るべき権力を」
さて予言が的中したかどうか、いまでは周知の事実である。
しかし、何よりも、キャスパー・ワインバーガー(元アメリカ国防長官)の手相を見た
1937年の夏の日曜日を、ハワード・ヒューズがついに姿を現さなかった雨のウィークエンドを、
彼女――キャサリン・ヘップバーンはいまでも覚えているだろうか。


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