2008/04/06 10:27
私の映画ベスト100        

私が何度も観た、あるいは何度も観たい映画を上げてみました。


「大地のうた」

「細雪(1983年版)」「燃ゆる女の肖像」

「チャリングクロス街84番地」 「愛と哀しみの果て」

「ローカル・ヒーロー」「ベン・ハー」

「青いパパイヤの香り」「インドへの道」「草原の輝き」

「サウンド・オブ・ミュージック」「逢びき」

「アンネの日記」「東京物語」「ワールド・アパート」

「いつか晴れた日に」「フランスの思い出」

「街の灯」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「イングリッシュ・ペイシェント」

「2001年宇宙の旅」「アラビアのロレンス」

「(500)日のサマー」「マイレージ・マイライフ」「ロスト・イン・トランスレーション」



「シャクルトン 奇跡の生還(アイマックス版)」「グリーン・デスティニー」

「ミュリエルの結婚」「普通の人々」「櫻の園」「8人の女たち」

「紳士協定」「バベットの晩餐会」「禁じられた遊び」

「あの子を探して」「旅立ちの時」「カミーラ あなたといた夏」

「めぐりあう時間たち」「ピーターズ・フレンズ」「フライド・グリーン・トマト」

「蝉しぐれ(TV版)」「サマータイムマシン・ブルース」「彼女が消えた浜辺」

「サラの鍵」「ハッピー・ゴー・ラッキー」「最終目的地」「そして父になる」

「グリーンブック」「こんにちは私のお母さん」
 



「大地のうた」

ボンドパッダエの自伝的小説をサタジット・レイ監督が映画化した。ベンガル地方の暗く惨めな農村生活が主人公の少年オプの澄んだ優しい目で捉えられる。詩人である父は、宗教的儀式で僅かな金を稼ぎ、母はいつも満たされずいらいらしている。このような家で、オプと姉のドゥルガは草原を駆け回り、屈託なく遊ぶ。水澄ましが水面で動き回るところへ雨がさぁーっと降りかかるシーン、すすきの穂にシルエットとなって轟々轟と走る列車を姉のドゥルガと見るシーンは忘れがたい。
姉のドゥルガを病気で失い、一家はこの土地を去る決心をする。ラストがすばらしい、「画竜点睛」とはこの映画のためにあるようだ。主を失った廃屋にヘビが1匹するすると入っていく…・。私のオールタイム・ベスト1の作品。

「愛と哀しみの果て」

原作はディネーセンの " Out of Africa "で、この小説も素晴らしいが、内容は別物と考えたほうがよい。
数々の名場面をジョン・バリーの哀切を帯びた音楽が盛り上げる。フラミンゴの群れる上空をデニスとカレンが飛行するシーンは、いままでみた映画のなかでもっとも美しい。この映画にはかっこよく忘れ難いいい場面が多いが、とりわけラストが秀逸である。去りがたいアフリカに別れを告げるカレン。自分のアイデンティティーを確かめるかのように、見送りに来た執事に「私の名前を言って」という。「カレンです」という答えを背に汽車の中に消えていく・・。

「チャリングクロス街84番地」

同名の小説の映画化。アメリカの女性作家がロンドンの古本屋に1通の手紙を出し、以後25年にわたる手紙での交流がはじまる。女性作家の軽妙でユーモアがあり、ときに辛辣な手紙に対し、店員のフランクの真摯な応対がおかしい。手紙のやりとりに、エリザベス女王の戴冠式、アメリカの反戦運動などの歴史情景をたくみにからませながら話は進行する。帰宅した彼女が何気なく封をあけた手紙でフランクの病死を知る場面は泣かせる。お互いに会うことはなかったが、作家はフランクの死にロンドン行きを決意する。今は空き家になった本屋のフランクの机の前に立った彼女は言う、「フランキー、やっと来れたわ」

「ローカル・ヒーロー」

アメリカの石油会社が土地買収のため社員のマッキンタイアをスコットランドの寒村に派遣する。素朴だがしたたかな住民たちとの交流がほほえましい。映画は環境破壊について声高に主張するわけではなく、淡々とした描写が続く。この映画もすばらしいラストがあるために忘れ難い傑作となった。使命を終えたマッキンタイアは村の人妻ステラ(不思議といい映画のヒロインはステラなのだ(笑))に淡い恋心を抱きながらも帰国し、アパートに戻る。冷蔵庫を開け、携えてきた写真、貝殻などを見ている。窓の外にはパトカーのサイレンが響いて、まさに都会人の孤独を描いて秀逸である。さてラスト、場面は一転してマッキンタイアの滞在したホテルの前の赤い公衆電話が鳴り響いているシーン。誰も出るもののいない、公衆電話に(すなわち村に)電話をかけるしかなかったマッキンタイアの孤独に胸が熱くなる。

「ベン・ハー」

映画史上空前絶後の映画だと思う。ミケランジェリの天井画を背景にミクロス・ローザのテーマ曲が流れたときの感動は忘れられない。この映画にはすべてが描かれている。家族愛、友情、恋愛、競争、裏切り、報復、赦し、報い、昇華。ややキリスト臭が強いがそれさえも忘れさせるほどの見事なプロットに引き込まれてしまう。ベン・ハーは2度キリストと遭遇し、それぞれが感動的なエピソードである。キリストの赦しを目撃したベン・ハーの心にメッサラに対する憎しみが消え、奇跡が起きる。ミクロス・ローザが作曲したベン・ハーの音楽は映画史上記念碑とも言える作品である。「序曲」、「愛のテーマ」は壮大で、美しく後の映画音楽に大きな影響を与えた。

「ワールド・アパート」

南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)に対して闘った白人母子の実話をもとにした話。夫は抵抗運動中に行方不明となり、女性は娘を案じながらも反アパルトヘイト闘争の真っ只中に突入し、娘は白人社会からも疎まれ差別される。女性は投獄され拷問を受け獄中で自殺まで計る。なんとか釈放され帰宅するが寂しさに耐えてきた12才の娘は、母の自殺未遂の日記を読み母の身勝手な行動を責める。母と子は、はじめて深く話し合い、お互いを理解しあう。運動のリーダーが殺され、その葬儀に2人は参列する。政府軍の強い監視と警告にもかかわらず、母は 抗議のしるしに拳を高く挙げる。娘は母を見、そしておずおずと、しかしはっきりと拳をあげるのだった。

「いつか晴れた日に」

(sense and sensibility ,分別と多感)オースティンの小説をエマ・トンプスンが脚色し、アン・リーが監督した作品。父が死んだために落魄した貴族の姉妹(長女がトンプスンで、次女が「タイタニック」のウインスレット)と3人の男性の恋模様。トンプスンの脚本がすばらしく、隙がない。名シーンの連続。3人の男性に翻弄される姉妹、二人とも魅力的。ラストに大どんでん返しがある。音楽もすばらしい。

「あの子を探して」

中国の貧しい農村から、村の小さな小学校に13歳の代用教員がやってくる。ついこのあいだまで、自分も小学生だった彼女には高邁な教育の精神など望むべくもない。生徒とケンカしたり、チャランポランな授業を続けたりする。ある日生徒のひとりが出稼ぎに都会に行ってしまい、生徒がひとりでも欠けたら給料を払えないといわれている彼女は、自身も都会に出、必死に生徒を探す…・・。
代用教員を演じた少女自身も貧しい村の子供で、映画も見たことがなくて、完成した映画を見て感動で泣き続けたそうである。

「青いパパイヤの香り」

しっとりしながら濃密でエロチックなベトナムの家族を扱ったフランス映画、全部フランスでのセット撮影というから驚き。これといったストーリーはないが、美しい映像が多く、果物や木の匂いでむせ返るような感覚に捉えられる。前半は10歳の使用人のムイの目から見たある家族や自分自身の淡い恋を、後半は成長後のムイと雇い主の新進作曲家との恋が淡々と描かれている。映像がフェティッシュで、エロティックな場面などないのにとても官能的で叙情味豊かな映画。

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