2020/11/10 07:11
もう10年も前の話
妻が他界して1年がたった頃、当時8歳の娘と3歳の息子がいた。
妻がいなくなったことをまだ理解できないでいる息子に対して、
私はどう接してやればいいのか、父親としての不甲斐なさに悩まされていた。
実際私も、妻の面影を追う毎日であった。
寂しさが家中を包み込んでいるようだった。
そんな時、私は仕事の都合で家を空けることになり、
実家の母にしばらくきてもらうことになった。
出張中、何度も自宅へ電話をかけ、子供たちの声を聞いた。
2人を安心させるつもりだったが、心安らぐのは私のほうだった気がする。

そんな矢先、息子の通っている幼稚園の運動会があった。
“ママとおどろう”だったか、そんなタイトルのプログラムがあり、
園児と母親が手をつなぎ、輪になってお遊戯をするような内容だった。
こんなときにそんなプログラムがあるなんて・・・
「まぁ、行くよ」
娘だった。
息子も笑顔で娘の手をとり、二人は楽しそうに走っていった。
一瞬、私は訳が分からずに呆然としていた。
隣に座っていた母がこう言った。
あなたがこの間、九州へ行っていた時に、正樹はいつものように泣いて、
お姉ちゃんを困らせていたのね。
そうしたら、お姉ちゃんは正樹に、
「ママはもういなくなっちゃったけど、お姉ちゃんがいるでしょ?
本当はパパだってとってもさみしいの
だけどパパは泣いたりしないでしょ?
それはね、パパが男の子だからなんだよ。まぁも男の子だよね。
だから、だいじょうぶだよね?
お姉ちゃんが、パパとまぁのママになるから」
そう言っていたのよ。
何ということだ。
娘が私の代わりにこの家を守ろうとしている。
場所もわきまえず、流れてくる涙を止めることが出来なかった。

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