2016/10/28 07:11
私が昔聞いた、農家にお嫁に来た人の思い出話です。
お嫁に来たばかりの頃、夫はサラリーマンだったので、
平日の農作業は、義父、義母と一緒でした。
ある日、田んぼの草取りを一人任されました。
今はどうしているか知りませんが、昔はまだ水を張ってある
水田にジャブジャブ入り、手で草を取っていました。
お嫁さんが腰を屈めて草を抜こうとすると、成長しかけた
稲の尖った葉先が丁度顔に当たり、チクチクと痛みます。
これをどうにかしないと仕事がはかどらないと考えたお嫁さんは 、
子供の頃節分に、厚紙で鬼の面を作って遊んだのを思い出しました。
あれがいいと考えたお嫁さんは、厚紙を顔の形に切り取り、
目の部分に穴をあけて前が見えるようにしました。
耳の辺りにも両側に穴を開け、輪ゴムを通して耳に掛けます。
これで完成です。子供の遊びじゃないので、鼻や口は描かず
白いままにしておきました。
次の日、お面を付けて草取りを始めると快適でした。
痛みはまったくありません。仕事がはかどりました。
夕方頃、お嫁さんが草取りをしている田んぼの横を
近所のおばさんが通りかかり、お嫁さんに声を掛けました。
草取りに夢中だったお嫁さんは、誰かが呼びかける声に、
「え?」と腰を伸ばして立ち、声の方向に顔を向けました。
田んぼの真ん中に、夕日を浴びて立つのっぺらぼうを見て、
近所のおばさんは腰を抜かすほど驚いたそうです。

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