2014/12/23 07:11
兄が小4、私が小2の時。
兄は典型的な野生児タイプで3分と家の中でジッとしてられない人だった。
特に夏休みなんてなったら朝早くから夜遅くまでプールに虫取りにキャンプに
ーと大忙しで全くと言っていいほど家に戻ってこないから、当然ながら宿題
なんて進まない。
いくら言っても言う事を聞かない兄に母は「何か1つでも終わらせないと
虫取り網捨てるからね!」と切れてた。兄はしぶしぶ1番早く終わりそうな、
俳句を作れってのをやることに決めたんだが基本的に馬鹿なので何も
思いつかなかったそうだ。頭を悩ませてると一緒に住んでいたじーちゃんが、
「お!お前が宿題やってるなんて珍しいな!どうした!」と聞いてきたらしい。
「宿題を1つでもやらないと母ちゃんに俺の網を捨てられるんだ...」と言うと、
子供は家で勉強よりも外で遊んで学ぶべき!な考えのじーちゃんが
「よし!俳句はじーちゃんに任せてお前は遊んでこい!」と請け負ってしまった。
夏休みが終わり登校初日、じーちゃんが兄にこっそり俳句を渡してた。
学校に着き、兄はじーちゃん作の俳句を自分が書いたものとして提出。
初日は始業式と宿題提出だけだったのでそのまま帰ってきたんだが、
翌々日の夕方あたり、家に誰かから電話がかかってきた。
電話は母ちゃんが出たんだけど、受話器を置くと私に静かな声で
「兄を連れてきなさい。母ちゃんが話があるって言っておいで」というので
家を飛び出した。母ちゃんが全力で怒ってる時は静かになるからだ。
兄は予想通り兄友と近くの公園にいたので嫌がる兄を引っ張って家に
連れて帰ると、玄関には仁王立ちの母ちゃん。
「あんたが作った俳句、どんなんか今ここで母ちゃんに言ってみなさい」と
母ちゃんが聞いた。兄はもごもごとしらばっくれてたけど母ちゃんに
「言い訳はいい。本当に自分で作ったのか否か、それ以外口にするな」
とゴミでも見るような目で言うと兄陥落。
「じーちゃんに頼みました...」と白状すると母ちゃん大爆発。
「あんたの馬鹿な行動のせいで大変な事になってるんだよ馬鹿たれ!!」と
言うとどこかに電話をかけてた。
すみません、申し訳ありませんでした。と何度も電話越しなのに頭下げてた。
夜、父ちゃんが帰ってくると家族会議が開かれた。
母ちゃんによると、夕方の電話は兄の担任からで、俳句コンクールの選考会の
人(作った俳句は全員コンクールに出品する事になってた)から、兄君の俳句が
特別最優秀賞候補に上がっている。だが念の為に確認するのだが本当にこれは
小学生が作った物か?と問い合わせがあったので連絡させてもらいました、と。
あの野生児の兄がそんな立派な賞の候補になるような物を作れるはずがない
と確信してた母ちゃんが兄に聞くと白状したって事だった。
兄に自分の控え用の俳句を持ってこさせ、みんなで見てみると父ちゃん
母ちゃん呆然。
・夏休み 終わってみんな 悲しいな
・うちのパパ ママに怒られ 泣いていた
他の子の俳句がこんな程度の物ばかりな中で兄の俳句は、死に別れた妻への
愛を唄った感じ。そりゃ選考会の人も怪しむよな...な作品だった。
兄は虫取り網を燃やされました。

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