2013/04/25 07:11
別役実著「道具づくし」は民俗学に名を借りたパロディー集。
ありそうで架空の古民具「おいとけさま」「ほとふたげ」「したすさび」・・に
虚実入り乱れる(ほとんどウソ)伝承や使い方を延々と述べた本。
著者が作ったらしい、いかにも・・という川柳の紹介や文末の註も抱腹絶倒もの。
妖しげでこ惑的な雰囲気を漂わせる筆致は魅力的だが、一部の民俗学者からは怒りを
買ったらしい(笑)。

で、私もひとつ作ってみました。別役氏の妖しげな雰囲気には及びませんが・・・。(笑)
「ちちふまず」
戦前まで東北地方の農家の納屋の鴨居に吊るされていたのをよく見かけたものである。
まだブラジャーが普及しない寒村などで、農作業に従事する老婦人が誤って自分の乳房
を踏んだりする(註1)のを防ぐ目的で用いられた。両乳房を首の後ろで結び、
それが解けないようにちちふまずで抑えるのである。このちちふまずは改良と工夫
がされ小物入れや、唐辛子を入れたポケット(東北の寒さから身を守る)がつけられる
ようにもなっていた。
明治後半に編まれた「東北万葉集<べこの詩>」にも、ちちふまずを詠んだ句が
多数残されている。
過酷な労働に明け暮れ、人生の秋を読んだ次の句が胸を打つ。
<ちちふまず つけてわびしき 秋の暮れ>

註1:欧米でもストリッパーたちは踊っている最中に自分の乳房を誤って踏むようになったとき、
引退を決めると言われている。

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