2012/01/25 07:11
このところ夕食時、西の窓から金星が顔を覗かせています。
古来、日本では雪月花を歌ったものは多かったですが、星空の美しさを詠んだ
短歌はほとんどなかったそうです。
「建礼門院右京大夫集」に、右京大夫(本名、藤原伊子)は書いています。
「文治元年12月1日ごろの夜更けに、大きな星がたくさん見え、それが空に
むらなく輝き、薄藍色に金箔を散らしたようであった。今までは月を見て物思いに
ふけったものだが、星の夜がこんな情趣の深いものだと今夜はじめて知った」
<月をこそながめ馴れしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる>
これが日本最初の星空賛美の歌だそうで、右京大夫は「星の歌人」とか
「星夜賛美の歌人」と言われています。
文治元年12月1日は西暦1185年12月31日だから、この日の東の空を
天文シミュレータで見てみると、確かにアルクトゥールス、木星、土星、スピカが
煌々と瞬いていて絢爛豪華です。
右京大夫は建礼門院徳子(平清盛の娘)に女房として仕え、平資盛(平清盛の孫)と
恋仲になり、平家の栄華と没落のすべてを目のあたりにした女性です。
徳子も資盛も壇ノ浦に身を投げますが、徳子は義経の郎党によって海から引き上げられ、
尼となり、亡くなるまで京都の寂光院で過ごしました。寂光院の西側に右京大夫の墓が
あります。

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