2011/02/11 07:11
トム・カルフーンがリーダーズ・ダイジェストに書いた「ある夏の思い出」

私が所属していた、ハーバード大学の学生新聞の部長はキャスパーだった。
最も沈着冷静、かつ思いやりがあった。あるウィークエンドに私は、キャスパーと、
友人のマリアンの別荘で過ごすことになった。マリアンの家族は風変わりで
面白いと聞かされていた。一人一人独自の行動と目標の基準をもっている
とのことであった。別荘は古い屋敷で、部屋数が15もあり、海の側に建っていた。
マリアンの姉のキャサリンは、後ほどハワードという名の友人を連れて帰ってくる
とのことだった。キャスパーがシャワーを使ってると、キャサリンが帰ってきて
「そのシャワーは、潔癖症のハワードの特別のシャワー室だから使わないで」と
こっぴどく叱られた。キャサリンは、痩せて背の高い、赤毛の女性で、グリーンの
ひとみが怒りに燃えていた。次の朝、雨がしとしとと降り、ハワードはとうとう姿を
見せなかった。みんなすることもなく、ぎこちなく居間に座っていた。キャサリンは
やおらキャスパーの手をとり、手相をみ、眉をしかめた。「あんたは将来、権力を
にぎるでしょう、強大な恐るべき権力を」
さて予言が的中したかどうか、いまでは周知の事実である。しかし、何よりも、
キャスパー・ワインバーガー(元アメリカ国防長官)の手相を見た1937年の夏の日曜日を、
ハワード・ヒューズがついに姿を現さなかった雨のウィークエンドを、
彼女――キャサリン・ヘップバーンはいまでも覚えているだろうか。


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