「歯科医院 方言」

「京都弁」

ある日、おとこしが歯科医院に行き、親知らずを抜くのへーくらかと聞おいやした。
「８０ドルどす」歯科医は答えた。
「そらたこおすな。もっと安くあげられまへんか？」とおとこしは言わはった。
「そうどすなぁ」歯科医は言わはった。「もし麻酔を使わなければ６０ドルでできまっけど」
「やてまやたこおす」おとこしは答えた。
「よろしゅおす」歯科医は言わはった。
「麻酔を使いまへんで、ペンチで抜くやけなら２０ドルでできまっけど」
おとこしは、まや不満そないに言わはった。「いえ、まやたこおす。よう一声」
「う～ん」歯科医はおつむをかきむしりもって言わはった。「そんならこうしまひょ。
経験を積ませるためにうちの学生に抜歯をやらせれば、たった１０ドルででけると思うて」
「ああ、よかった。あんがとう」おとこしは言わはった。

「ほな来週火曜日に、よめはんの予約をたのんまっせ」

「熊本弁」

ある日、男が歯科医院に行き、親知らずば抜くとはいくらかと聞いた。
「８０ドルです」歯科医は答えた。
「それは高いですね。もっと安くあげられまっせんや？」と男は言うた。
「そうですね」歯科医は言うた。「もし麻酔ば使わんなら６０ドルで
できますばってん」
「でもまだ高いです」男は答えた。
「わかりました」歯科医は言うた。
「麻酔ば使わんで、ペンチで抜くだけなら２０ドルでできますばってん」
男は、まだ不満そうに言うた。「いえ、まだ高いですたい。もう一声」
「う～ん」歯科医は頭ばかきむしりながら言うた。「それではこうしま
っしょい。経験ば積ませるために私の学生に抜歯ばやらせるなら、たった
１０ドルででくるて思います」
「あぎゃん、よかった！」男は言うた。

「では来週火曜日に、妻の予約ばお願いします」

「名古屋弁」

ある日、男が歯科医院に行き、親知らずを抜くのはどなけんかと聞いた。
「８０ドルです」歯科医は答えた。
「ほんなもな高いだにゃあきゃあ。まっと安くあげられませんか？」と男は言った。
「そうだにゃあきゃあ」歯科医は言った。「もし麻酔を使わなけりゃぁ６０ドルでできてまうけどが」
「だったってまんだ高いです」男は答えた。
「わかりやがったがね」歯科医は言った。
「麻酔を使えせんでよぉ、ペンチで抜くだけなら２０ドルでできてまうけどが」
男は、まんだ不満そうに言った。「いえ、まんだ高いだに。まー一声」
「う～ん」歯科医は頭をかきむしりがてら言った。「ほいではこうしよみゃあ。
経験を積ませるためにわしの学生に抜歯をやらせりゃぁ、たった１０ドルでできると思おるぎゃあ」
「ああ、よかった！」男は言った。

「では来週火曜日に、妻の予約をお願いしやぁす」

「花魁風」

ある日、男が歯科医院に行き、親知らずを抜くのはいかほどかと聞いたぇ。
「８０ドルです」歯科医は答えたぇ。
「それは高いでありんすぇ。もつとも安くあげられんせんかぇ？」と男は言ったぇ。
「そうでありんすね」歯科医は言ったぇ。「もし麻酔を使わなければ６０ドルでできんすが」
「でもまだ高いです」男は答えたぇ。
「わかりんした」歯科医は言ったぇ。
「麻酔を使んせんで、ペンチで抜くだけなら２０ドルでできんすが」
男は、まだ不満そうに言ったぇ。「いえ、まだ高いでありんすぇ。もう一声」
「う～ん」歯科医は頭をかきむしりながら言ったぇ。「それではこうしんしょう。
経験を積ませるためにわっちの学生に抜歯をやらせれば、たった１０ドルでできると思いんす」
「ああ、よかった！」男は言ったぇ。
　　　
「では来週火曜日に、妻の予約をお願いしんす」

「沖縄弁」

ぁる日、いきがが歯屋（はーやー）んかい行き、ウヤ知らずを抜くぬウーくらかと聞いのみぐさぁ～。
「８０ドルやいびーん」歯科医や答えのみぐさぁ～。
「だぁや高いやいびーんね。もっと安くぁげられやびらんか？？」とイキガやアビタ。
「ヤイビンヤー」歯科医やアビタ。「もし麻酔を使わなければ６０ドルででちゅーんが」
「やてぃんまやっさー高いやいびーん」イキガや答えのみぐさぁ～。
「わかやびたん」歯科医やアビタ。
「麻酔を使わねーらんで、ペンチで抜くやっさーけなら２０ドルででちゅーんが」
イキガや、まやっさー不満そうんかいアビタ。「いえ、まやっさー高いやいびん。ちょぎりーさー一声」
「う～ん」歯科医やちぶるをかきむしりながらアビタ。「あんしぇーこうしびら。
経験を積ませるのみぐさぁ～めんかいわんぬ学生んかい抜歯をやらせれば、のみぐさぁ～っのみぐさぁ～１０ドルでないんと思なます」
「ぁぁ、よかった。！」イキガやアビタ。

「でや来週火曜日んかい、とぅじぬ予約をうにげーさびら」